2025年 公開 垣根涼介原作の歴史/時代劇映画 上映時間135分 満足度☆7
お疲れ様です!
今回、ご紹介する物語は2024年の日本の映画「室町無頼」です。
室町時代中期1462年に起きた寛正の土一揆を扇動した首魁の蓮田兵衛をモデルに描かれた垣根涼介原作の時代小説を映画かした作品です。
この寛正の土一揆は、一介の浪人が初めて率いた一揆として歴史に残っている。
室町時代中期と言えば、南北朝が統一され室町幕府が安定を確立した時代を指します。
文化面では東山文化が盛んになり、禅宗やワビサビの精神が重んじられた時期とされ経済や文化が発展しました。
その裏では日照りや戦、台風に水害・虫害・疫病などにより全国的に飢饉が蔓延
京都では1459年の台風による賀茂川の氾濫で、多数の家屋が流出し数えきれない死者が出たほか飢饉がより深刻化した1461年には、大量の流民が市中に流れ込み事態はより悪化。
同年の正月の京都では、すでに乞食が数万人いたとされ、この年の最初の2カ月で8万2千人の餓死者が出ている。
これだけの大惨事が自分の国で起こっているというのに、室町幕府の将軍足利義政は自分の邸宅の改築に夢中で世事に関心を示さず見かねた後花園天皇の諫言も無視する様な状態。
道端を歩けば民の死体がゴロゴロと転がっていて、自然災害によって実りや収入もない民たちから領主は容赦なく年貢を取り立てる。
その上民や下級武士は、高利貸しから借金を取り立てられ村は盗賊から襲われる。
もう北斗の拳の世紀末世界と同じような時代だったんですって、このまま死ぬくらいなら幕府に立てついてでも反乱を起こした方がマシだ!ってなるのが当たり前ですよね(;゚Д゚)
そうして起こったのが土一揆(領主に年貢の軽減や借金の帳消しなどそ要求し起こした土着民たちの反乱)という訳です。
そんな中武士として、初めて民を率いた”蓮田兵衛”そんな男前題材にしないワケないじゃんってことで・・・
それでは紹介していきます!
目次
概要
登場人物
あらすじ
感想
概要
原作:垣根涼介
監督・脚本:入江悠
製作:須藤泰司 栗生一馬 北岡睦己
音楽:池瀬広 撮影:大塚亮 ナレーター:窪田等
出演者:
大泉洋(蓮田兵衛) 才蔵(長尾謙杜) 堤真一(骨皮道賢)
松本若菜(芳王子) 中村蒼(足利義政) 北村一輝(名和好臣)
柄本明(唐崎の老人)
登場人物
蓮田兵衛:
己の腕と才覚だけで、混沌の世を泳ぐ自由人。
民の苦しみを誰よりも分かっており、村々を回り兵法を伝授したり無用な取り立てをする関所を燃やしたり、役人をも平然と切り殺す無頼漢。
牢人と村外の村落をまとめ上げ、一揆を画策する。
才蔵:
元は武家であるが、父は浪人でありその父も幼い頃に亡くしている。
兵衛に拾われて、大きく運命が動き出す青年。
十月の血の滲むような修行を経て、六尺棒を武器にした”無敵の棒術”を手に入れる。
骨皮道賢:
傭兵・足軽大将
300人の極道者を集めて足軽集団を組織し、それを幕府に見込まれ京の治安維持を任される。
兵衛とは昔ながらの悪友であり、酒を酌み交わして夢を語り合った間柄。
立場が変わり兵衛とは、敵対関係となる永遠のライバル。
芳王子:
高級遊女であり、兵衛の恋人。昔、道賢とも恋仲だった時期がある。
足利義政:
室町幕府第8代征夷大将軍。銀閣寺を建て東山文化を築くなど文化人的側面で知られている。
政治の事には無関心で、争いごとを嫌う性格の為。幕府の権威が低下しのちの応仁の乱を引き起こした原因を作ったとも言われる人物。
名和好臣:
義政に仕える有力大名。
民の事を虫けら呼ばわりする傲慢な性格。
唐崎の老人:
棒術の達人で兵衛の師匠。兵衛に頼まれ才蔵にも棒術を叩きこむ。
あらすじ
時は1461年”応仁の乱”の前夜の京都。
自然災害による大飢饉と疫病が同時に発生したことで、賀茂川べりには死体が山のように積み重ねられ高利貸達からは借金のカタに、人身売買や奴隷労働を強いられ重い年貢もかけられる。
ふと市中を見れば室町幕府の栄華を誇るような七重の塔がそびえ立つ・・・
かつてない程の格差社会で、民たちは将来の見えない自分たちの境遇に苦しんでいた。
そんな混沌の世に風の如く現れた蓮田兵衛という自由人
武士階級として初めて一揆を起こした首魁、そして歴史書に唯一度だけ名を残した男
この物語は、蓮田兵衛と彼の元に集結した無頼達(アウトロー)が巨大な権力に立ち向かう物語
感想
「無頼」とは、正業につかず無法な行いをする「ならず者」
いや~この映画、あれっ!?この感じ子供の頃体験したなってデジャブみたいな映画でした。
あとで調べてみて分かったんですけど配給元が東映で、そうだ!「里見八犬伝」や「魔界転生」を子供の頃観ていた感じに似てるんだって事に気がついたんです。
史実がモデルにはなっていますが、男前な主人公が大きな目的を果たす為巨大な悪に立ち向かっていく
その過程の成長やライバルとの関係性・志を共にする仲間が集まってくるというストーリー
もう昭和世代のオジサン達には、ドンピシャの映画だと思います。
CGに頼らず大がかりなセットや爆発、派手なアクションに大規模な人数のエキストラ達と…
40代の私みたいなオジサンには、懐かしさも相まってニヤニヤしながら最後まで鑑賞してしまいました。
だって蓮田兵衛、昔の漫画のヒーローみたいな生き方しててカッコいいんですもの(*’ω’*)
そして才蔵の成長ストーリーでもあります。
最初は弱くて自分の考えで行動しない才蔵が、兵衛という師に出会い。兵法者として生きていく為の知識と強さを得ていく・・・
終盤は、もう才蔵だけがアクションしてるんじゃないのかってくらいの大立ち回りを見してくれます。
これも昭和世代には懐かしい「ベスト・キッド」を見ているような感覚に囚われました。(#^.^#)
つまり、この映画少年期のワクワクを思い出させてくれる映画だったという感想です。
私のような少年心を取り戻したいオジサン達は、ぜひ鑑賞してみて下さい!
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